テーマ 95 仕事に集中することが管理職者を成長させる
■常に今、この瞬間に最大限の力を発揮することが
成長につながる
仕事を行う上では、「出し惜しみをしない」、
「力を抜かない」ことが重要です。
フランス革命期の軍人ナポレオンの言葉に
下記のようなものがあります。
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・翌日の戦闘に備えて新鮮な部隊を取っておく
将軍はほとんど常に敗れる。
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職場の実務では、
「常に実力を出し切ることで、新たな力が身に付く」、
「常にアイディアを出し切ることで、新たなアイディアが生まれる」
ということが起こります。
最大限の力を発揮するということは、
成長するということでもあります。
管理職者として、目標を設定する際は、余力を残すことなく、
常に最大限の力が発揮できる目標を設定することを
意識することが重要です。
■不安感や恐怖心を訓練により
コントロールし仕事に集中する
EQこころの知能指数で有名な
アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマン氏の
「リーダーは集中力を操る」
という論文の中に下記のような記述があります。
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自分への集中のためには、下記のような、
認知制御、意志力、自制心という自己管理が必要。
@欲求の対象から自発的に注意を逸らす能力
A欲求の対象に関心を引き戻そうとする誘惑に抗う能力
B将来の目標に意識を集中して、
それを達成したらどれだけ気分がよいかを想像する能力
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だれでも、特に新しい仕事にチャレンジする時には、
「失敗したら自分の評価が下がるのではないか」、
「部下をはじめ、関係者の人が自分に協力してくれないのではないか」、
など、いろいろな不安感や恐怖心の感情が働き仕事に集中できなくなります。
集中力とは自己抑制力や自制心とも考えられ、
ダニエル・ゴールマン氏がいうように、
「不安感や恐怖心を起こすようなことは考えない」、
「目標の達成のためには、どうしたらよいのかだけを考え仕事に集中する」
ことが必要です。
大切なことは、自分の感情や考え方は、
「訓練によって変えることができる」、
「訓練によってコントロールすることができる」
ということです。
管理職の方は、
「自分の感情をコントロールする」、
「自分の考え方をコントロールする」
ことを自らの訓練により習得することが必要です。
自分自身の感情をコントロールし、仕事に集中することにより、
最大限の力を発揮することができ、成長への大きな原動力となります。
■情熱と忍耐を持って取り組む
仕事という物体があった場合、
正しい方向にスピード感を持って、
タイミングよく動かすためには、情熱が必要です。
アップル社の共同設立者の一人である
スティーブ・ジョブズ氏の言葉に下記のようなものがあります。
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偉大な製品は、情熱的な人々からしか生まれない。
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情熱を持って行っているかどうかというのは、
自分でも分からない面がありますが、
上記に述べた「仕事に集中する」という状態が
情熱ともいえると思います。
ドイツの詩人ゲーテ氏の言葉に下記のようなものがあります。
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立派な目標と偉大な仕事をやり遂げる道は二つしかない。
体力と耐久力である。
体力はほんの一握りの恵まれた人間のものである。
しかし厳しく身を守り、常に耐え抜くことは、
ごく弱小な者でもできるし、たいていの場合目標を達成する。
これは、彼の無言の力が、時が経つにつれ、
何ものにあってもへこたれないほど強力になるからだ。
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情熱と忍耐を長期的に持ち続ける力のことを
グリットともいいますが、
これもやはり、「仕事に集中する」ところから
身に付けることができると思います。
自分の感情や考え方をコントロールして、
仕事に集中し、常に最大限の力を発揮していくことによって、
情熱や忍耐力など管理職者として、
人として大きなものも得ることができます。
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